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【神戸】癒やしスポット「東遊園地」で阪神淡路大震災に想いを馳せる

神戸の中心部、三宮から海側へ南下するフラワーロード沿いに、神戸ルミナリエの会場にもなっている「東遊園地(KOBE EAST PARK)」があります。

園内にはさまざまなモニュメントや建物があり、見どころ満載で散策にもおすすめの場所です。

今回は東遊園地にあるさまざまなモニュメントや見どころをご紹介します。

三宮駅から徒歩7分

東遊園地の最寄り駅は三宮駅。駅から続くフラワーロード沿いを7分ほど歩いていくと、東遊園地の入り口が見えてきます。

まずは東遊園地のマップで全体像を確認しましょう。入口から南へ向かい、ぐるっと一周するのがおすすめのルートです。

東遊園地は、元々神戸居留地の外国人が使うために、日本初の西洋式運動公園「外国人居留遊園」として開放されたのが始まり。サッカーや野球・ラグビーなど多くのスポーツが楽しまれ、西洋スポーツが日本に広まる起点となった場所です。

その後、公園内にはさまざまな種類の記念碑やオブジェが設置され、1995年の阪神淡路大震災以降は、その記憶を風化させないための「1.17希望の灯り」が灯されました。

犠牲者を追悼する「慰霊と復興のモニュメント」の設置、「神戸ルミナリエ」の追悼会場となるなど、震災の記憶と深く結びつく場所となっています。

花と彫刻が美しいフラワーロード

フラワーロードは、1960年代後半に「花と彫刻の道」として整備された通りです。この通りにはさまざまなモニュメントや、きれいな花がたくさん植えられた花壇があります。

1981年に設置された「スプリングストーン」。水が上から絶えず流れてくるモニュメントです。

「区の花花壇」。色とりどりの花に癒やされますね。

スペースアイ

さらにフラワーロードを進むと、1981年に設置された「スペースアイ」があります。大きな透明のアクリル板中央に丸い穴が開いていて、その周辺は歪んで見えるという、とっても不思議なオブジェです。

元々は、日本の彫刻家である多田美波さんの作品だそう。

1981年に設置された「ふれあいの滝」。

滝というだけあって、少し涼やかなスポットでした。ベンチも設置されているので、暑い日の休憩にもいいですね。

旧居留地の洋館風建物

フラワーロードを奥まで進んで右に曲がると、洋館風の「レストラン VILLA BLANCHE」があります。建物が素敵な1軒家のフレンチレストランです。

深い緑に包まれたおしゃれなお庭には、オープンテラスの席もありました。

レストランの斜め向かいにも洋館風の建物があります。「東遊園地事務所」で、旧居留地時代の在留外国人の社交クラブ「神戸クラブ」の外装を模して建てられたそうです。

ルミナリエのサブ会場にもなっている噴水広場

東遊園地南側の一番奥に位置する噴水広場。毎年12月に行われるルミナリエのサブ会場にもなっています。

この日は残念ながら、噴水の水は出ていませんでした。

噴水広場の横にあったオブジェ「愛(仔馬の像)」。なんと1966年に設置されたとか!とっても古いオブジェなんですね。

慰霊と復興のモニュメント

1995年1月17日に兵庫県南部を震源として発生した阪神淡路大震災。

この慰霊と復興のモニュメントは、阪神淡路大震災で犠牲になった方への慰霊と街の復興を願う、市民からの募金によってつくられた場所です。

ざぁざぁと流れ続ける水の壁。このモニュメントの右側には、地下の瞑想空間への入り口があります。

地下の瞑想空間への入り口。この奥の空間には、犠牲となった方々の名前を刻んだプレートが収められています。

慰霊と復興のモニュメントの左奥には、2000年に設置された「1.17 希望の灯り」がありました。

ここでは2000年1月17日午前5時46分、被災10市10町と全国47都道府県から届けられた種火をひとつにして、「生きている証」とした灯りが灯っています。

近くに設置されていた碑文には、阪神淡路大震災で奪われたすべてのいのちと、生かされた私たちの思いが凝縮されていますので、ぜひ読んでみてください。

公園を彩る花とビオトープ

公園を散策していると、どこも緑がいっぱい。歩いているだけでも癒やされます。

居留地ガーデン。中央にあるのは1901年に設置された「A.C.シム記念碑」。神戸居留地会議員で、居留地消防隊にも従事していた「アレキサンダー・キャメロン・シム」の顕彰碑です。

居留地ガーデンの右奥には、湧き水を利用して整備された「ビオトープ」もあります。都心の中では数少ない、生き物が生息するビオトープです。

こちらは何という花かな?名前はわかりませんがとても凛として美しい花でした。右奥に見えるのは、1989年に設置された「新コミック噴水」です。

近くでみると水が勢いよく流れています。真ん中を通れるようになっているので、ぜひ歩いてみては?

新コミック噴水の奥には並木道があります。面積は約1,200㎡、緑陰を活かして、Farmer’s Marketが開催されている場所です。

上を見上げると、緑もたっぷり生い茂っていて、とってもきれいでした。

5時46分で時が止まったMARINA像

こちらは1976年に設置された「MARINA」です。

阪神淡路大震災により、このMARINA像は倒れ、その際に時計も壊れてしまいました。MARINA像にかけられた時計は震災の記憶を永遠にとどめるために、震災発生時刻の「5時46分」を示しています。

MARINA像から少し離れ場所には、阪神淡路大震災の後(2001年)に設置された「あかりの木」もあります。

神戸アゲインの願いを込めて設立された基金によって、神戸の応援歌を作り、その売り上げを基に贈られたものだそうです。ぜひこちらもお見逃しなく。

神戸まつりも行われるパフォーマンス広場

パフォーマンス広場は、神戸市消防音楽隊グリーンコンサートや神戸まつりが行われる場所。

中央にあるのは「立体トラス」。神戸まつりの際にはテントを張って屋根付きステージとして利用されるなど、おもにステージとして使われています。

神戸まつり・神戸ルミナリエ・阪神淡路大震災1.17のつどいなどといった、神戸三宮で行われるいろいろな行事の会場にもなっている「東遊園地」。

園内にはほかにもさまざまな記念碑やオブジェがあります。特に阪神淡路大震災に関連したモニュメントは、改めて震災の記憶を風化させないことの大切さを考えるきっかけとなることでしょう。

神戸観光に訪れた際には、ぜひ東遊園地にもお立ち寄りください。