神戸三宮とベイエリア間の地区に、レトロな歴史的建造物が建ち並ぶ「神戸旧居留地」があります。
かつて神戸開港時に外国人が暮らしていた場所で、異国情緒あふれるクラシカルな街並みは歩いているだけでワクワク。
今回は神戸市役所・東遊園地周辺をスタート地点に、旧居留地エリアを散策する際に押さえておきたい建造物をご紹介します。
高砂ビル
神戸市役所1号館と東遊園地の間の通りをしばらく歩くと見えてくるのが高砂ビル。昭和のロマンを感じる個性派ビルです。
1949年に高砂商社の自社ビルとして建設。1972年には自社ビルを貸事務所として運営しはじめ、現在ではアトリエ・写真スタジオ・ショップ、そして映画のロケ地としても使われています。
神戸朝日ビルディング
高砂ビルから北町通をまっすぐ進むと、突き当りに神戸朝日ビルディングがあります。テラコッタ造りの壁が重厚で美しいビルです。
1994年に低層階の外壁を旧神戸証券取引所の外観で復元して建設。地上25階地下2階の高層ビルで、現在は文化ホール・映画館・オフィス、そして映画のロケ地としても使われています。
神戸朝日ビルディングの斜め向かいには、神戸で有名な老舗洋菓子店「ケーニヒスクローネ」が経営する、ホテルケーニヒスクローネ神戸の旧居留地側正面入り口があります。
ヨーロッパ風の外観に、ホテル内あちこちで見かけるマスコット「くまのポチ」、甘い色調で整えられたかわいらしいお部屋、そして朝食ビュッフェでパン・ケーキ・フルーツが食べ放題!と、特に女子からは人気のホテルだとか。
いつか泊まってみたいですね~。
大丸神戸店
次に向かったのが、神戸旧居留地のランドマーク的存在の大丸神戸店。本館は1997年、阪神大震災後に再建されました。
東側のアーチ形のコリドール(回廊)は外国風のクラシカルな外観で、旧居留地の街の雰囲気に溶け込むようデザインされています。
大丸神戸店から、旧居留地38番館へ向かう並木道。旧居留地エリアは緑が多く、海から吹いてくる風も心地よいですよ。
旧居留地38番館
ビルの名称「38番館」は、外国人居留地時代の区画番号。現在でも旧居留地の住所に使われているそうです(町名+番地の外国スタイル)。
旧居留地38番館は、アメリカン・ルネッサンス様式のビル。1929年に世界的に有名なウィリアム・メレル・ヴォーリズ事務所による設計で、ナショナルシティ銀行神戸支店として建築されました。
南側の太い円柱はイオニア式円柱です。現在は大丸が所有し、別館としてショップ・カフェを展開しています。
旧居留地38番館から仲町通りを進みます。この通りにはかわいらしいハンギングバスケットが吊り下げられていました。
旧居留地のクラシカルな街並みの雰囲気にぴったりですね。
仲町通りには神戸の街を走っているシティループバスのバス停もありますよ。
旧神戸居留地十五番館
浪花町筋をまっすぐ進むと見えてくるのが旧神戸居留地十五番館。1880年にアメリカ大使館として建築された、居留地エリアで最も古い洋館です。
1945年の神戸大空襲からは逃れられたものの、その後の阪神淡路大震災で全壊したため、1998年に再建されました。
2階建てコロニアル様式の木造煉瓦造り建築で、浪花町筋から京町通側に移動すると、2階に素敵なバルコニーも見えますよ。
現在は、レストラン「TOOTH TOOTH maison 15th」として営業しているほか、映画のロケ地としても使われています。
旧神戸居留地十五番館の一角には、旧神戸外国人居留地の下水道も展示。
神戸付近で焼かれたレンガを用いて、明治5年ごろに完成されたもので、近代下水道としては日本で一番古く、現在でもその一部が雨水幹線として使われているそうです。
近代化産業遺産・登録有形文化財・土木学会推奨土木遺産などに指定されており、歴史的価値のあるものなので、お見逃しなく!
神戸市立博物館
旧神戸居留地十五番館の向かい、浪花町筋の左手には神戸市立博物館があります。浪花町筋から前町通→京町筋まで歩くと、神戸市立博物館の正面口です。
神戸市立博物館は、1935年に銀行として新古典主義建築で建てられ、その後1982年から神戸市立博物館として利用されています。
正面に並ぶ6本のドリル式スタイルの大円柱の重厚な雰囲気が特徴的。国の重要文化財にも指定されている、人文科学系博物館だとか?いつか訪れてみたいですね!
チャータードビル
チャータードビルは神戸居留地海岸通を代表する近代建築の1つで、1938年に英国チャータード銀行支店として建築されました。海岸通(国道2号)方面から正面が見られます。
J.Hモーガン設計の伝統的な銀行建築で、ほぼ左右対称の洗練された建築物と正面のイオニア式の大円柱3本は重厚感たっぷり。
内部には装飾が施された折れ天井・吹き抜け空間があるなど、英国の銀行らしい雰囲気だとか。
神戸商船三井ビルディング
海岸通りをメリケン波止場方面に進むと、エレガントな佇まいの神戸商船三井ビルディングが見えます。
南西角を正面に眺めた風情が一番象徴的で、最上部半円のペディメント・テラコッタなどの装飾などが美しく優雅な外観です。
1922年に旧大阪商船神戸支店として建設されましたが、現在では数多くのショップが入り、旧居留地のシンボルとして知られています。
ちなみにこちらは、明石町筋から神戸商船三井ビルティングへ向かう道。まるで海外のような雰囲気ですね。
外国人居留地時代の区画番号も提示されていました。不思議とおしゃれレトロに見えてきますね。
ショップ神戸海岸ビル
海岸通り沿い・神戸商船三井ビルティングの隣にあるショップ神戸海岸ビル。
海岸通りを渡って反対車線まで移動すると、ビルの全容を一目で見られます(手前にあるオブジェはローマの公園)。
1918年元三井物産神戸支店として建築され、長らく「海岸ビル」と呼ばれていたそうですが、震災後15回建てに再建。4階までの低層部に保存していた旧外壁を再構築して復元されました。
幾何学的な装飾が施され、御影石貼りの外壁は国の有形文化財に登録。内部1階から4階は吹き抜けで開放感たっぷりだとか。
こちらはビル正面のエントランス。右側の海岸ビルの下にあるプレートによると、平成19年経済産業省より近代化産業遺産にも指定されています。
レトロな歴史的建造物とクラシカルな街並みを散策できる「神戸旧居留地」。外国人が暮らしていた当時は、「東洋の居留地として最も美しい街」とされていたとか。
神戸観光の際には、ぜひ神戸の歴史を感じられる旧居留地を訪れてみてくださいね。
- アクセス:JR/阪急/阪神「三宮駅」から徒歩5分
- Web:https://www.kobe-kyoryuchi.com/index.htm